レンタカーで巡る四国八十八箇所
※ ページの読み込みが完全に終わるまでお待ちください。画像をクリックすると拡大します。
2日目 第24番札所最御崎寺→第40番観自在寺
旅行2日目。午前8時我々は目覚めた。昨晩4時に到着して4時間程度は寝られたのだろうか。朝日の光が非常にまぶしい。昨夜は深夜まで運転していたので気づかなかったが、道の駅の横にはどこまでも続く太平洋が横たわっていた。水面に太陽の光が反射して非常にまぶしい。
この道の駅には温泉があり、昨日一度も風呂に入っていない我々は風呂に入ってから出発しようと考えたのだが、残念なことにことに入浴料が半端ない値段だった。我々は仕方なく、道の駅を後にし、室戸岬に急いだ。
今日は室戸岬と足摺岬のダブルヘッダーであり、半日で22寺回らなければならなかった徳島編と並んで今日の高知編は相当きつい。しかし、海岸沿いを快調に飛ばすパッソの車窓からは青い海と青い空がどこまでも広がり、我々の気分は上々だった。道の駅宍喰温泉から室戸岬までは、ずっと海岸線に沿って道は続いているのだが、そこを走る車は前の車も、そして後ろの車も平気で100km/h出して走る。我々は予想よりも遥かに早い午前9時に台風関連の生中継で有名な室戸岬に到着した。
室戸岬は本当に山(崖)と海しかなくてその間を細々と国道が走る、そういう場所だった。岬の先端は岩がごろごろしていて散策できるようになっている。国道沿いには中岡慎太郎の像が立っていて、「桂浜の坂本竜馬と実は向き合うように作られてるのだ!」と小学校の時先生が言ったのを思い出したが、間違いなく角度的に高知市の方を向いていないと確信した。別に向き合っていようがなかろうがどうでもいいのだが、誤った情報を10年近く信じさせられていたわけだ。
第24番札所最御崎寺の近くには、あの室戸岬灯台があるのだが、時間の都合で行けず・・・。しかしその近くにある展望台で記念撮影をすることが出来た。ここの展望台、下を見下ろすと270度くらい海なのである。室戸岬がどれほど尖った岬で、今我々がどれほど四国のさきっぽにいるのかよく分かる風景だった。台風の時には10mを超えるような波が打ち寄せるのだろうか。岬の中でも知名度は全国トップクラスであろう室戸岬に行くことが出来非常に満足であった。
第26番札所、第27番札所の両寺は幹線道路からかなり山側に入り、道幅も狭いのでやや苦労した。山派寺院は昨日は真夜中にしか訪れていないので、昨日は行き違う車も皆無だったが、今日は狭い道でも対向車が現れるので運転は慎重でなければならない。特に対向車がいないと思い込んで急にカーブに現れる対向車には腹が立ったし、非常に恐怖感を覚えた。
安芸市あたりまではずっと海岸線を沿うように道は続いている。夏らしいとてもよい天気でドライブしててもとても気持ちがよかった。写真は海岸線を車で走ったときのものであるが、海がとても青くて、本当にきれいだった。途中二十三士温泉というスーパー銭湯系温泉に立ち寄り、2日ぶりに汗を流すことが出来た。
やっと横に長い高知県も、中央部に入り、高知市周辺のシティー派寺院を巡ることになる。いわいるシティー派寺院は密集する傾向があり、短時間で数多くの寺をクリアしていけるので我々からすれば非常にありがたい存在の寺である。第31番札所竹林寺は、寺に行き着くまでの公園の中を縫う道が完全一方通行の道で、自動車のなんちゃらラリーが出来そうな非常に楽しい道だった。あの山道を全力で攻めてみたい。車好きの人ならよだれをたらしながら運転してしまうだろう。
左の写真は、番組「水曜どうでしょう」でも話題になっていた極狭の門。第28番札所大日寺にあるのだが、マイクロバスを入れさせたくない気持ちは汲み取れても、これはさすがに狭すぎる。小型車パッソでもひやひやするのに大型のエスティマとかは通れるのだろうか。
右側の写真は、高知市周辺の国道の様子。シティー派寺院の周辺は店も多く、飲み物などもすぐ補給出来るし、そして寺同士もかなり近いので我々はシティー派寺院を応援したい。心から応援したいと思う。
スリリングなドライビングコースを持つ第31番札所竹林寺、そして寺の周りだけ道が悪路な第32番札所禅師峰寺をクリアすると、我々は桂浜に立ち寄った。以前友人と高知に旅行で訪れた際に時間の関係で行けなかったのだが、やっと悲願達成である。
上の写真の龍馬像は逆光で真っ黒だが、龍馬のりりしい顔立ちは忘れることができない。桂浜の龍馬像は、非常に有名なので、これがあの龍馬像なのか、としばし眺めてしまった。また砂浜は、靴の中に砂が入って閉口したが、とても美しい景色だった。また、この砂浜は遊泳禁止らしいのだが、波がすごく大きかったので、遊泳可能でも別にここで泳ぎたいとは思わなかった。我々は、拾った流木を杖代わりしながら桂浜をくまなく探検し、砂浜散歩を終えた。
駐車場と砂浜の間には、土産物店が軒を連ねているのだが、その中に龍馬とプリクラを撮ろう!という不思議なコーナーがあり、非常にそそられた。本気で順番待ちしてチャレンジしようと思ってたのだが、プリクラ機の前で学生がキャピキャピしていてなかなか順番がまわってこなかったので諦めた。龍馬とプリクラなんて、なかなか体験できるものではないのに・・・。仕方なく、アイスを食べて車に戻った。
桂浜を過ぎ、第33番雪蹊寺を無事クリアし、その直後、我々は高知競馬場の前を通過した。ここが一時期ハルウララがどう、と騒がれていた高知競馬場である。既に夕暮れを迎えて周辺には誰もいなかったが、付近は植樹など整備されており、いい道だった。
第34番種間寺までは、カーナビがおかしな経路選択を繰り返すので、右折左折の連続だった。幹線道路を使うのとどっちが早かったのかよくわからないが、カーナビを信じたおかげで最短経路を行けたと信じたい。
種間寺をクリアし、次に向かったのは、第35番札所清滝寺である。このお寺付近にたどり着くまでも、カーナビに載っていない幹線道路が開通したりといろいろ悩ませられたが、問題は寺に着くまでの山道だった。この山道は、側溝にすぐはまりそうな細い道であり、これをどんどんとのぼっていかなくてはならないので、にしやんは運転が大変そうだった。久々の難関寺である。やっとこさこのお寺に着くと、周りはもう闇であった。境内で掃除をしておられた人と軽く歓談し、高知平野を少しだけ眺めて、我々は清滝寺を後にした。
我々が桂浜を散策しているとき、友人まる氏から連絡が入った。明日の八十八箇所愛媛編は、高校からの友人「まる」氏を加え、3人で愛媛県のお寺めぐりをするつもりだからだ。我々は何度かメールのやりとりをし、明日は朝8時に宇和島駅集合ということになった。この約束が決まった後、清滝寺と青龍寺の間でだろうか、我々はカーナビの最終目的地に宇和島と入力したのだが、ここで恐ろしい現実を知ることとなる。
「宇和島まで273km」。
カーナビには、そう記されていた。午後7時の段階であと273kmである。
東京大阪間が500kmと言われているが、寺巡りをしながらそして睡眠の時間も含めてあと12時間余りで、その半分の距離を移動し、愛媛県宇和島市についていなければならない。車の中はしばし沈黙が続いた。燃料も底をつきはじめ、まわりも暗くなり、ただ残るのは273kmという恐ろしい数字だけだった。本当に明日の8時に宇和島に我々はいるのだろうか。
19時42分 第36番札所青龍寺。
ここは大相撲横綱「朝青龍」の名の由来にもなったお寺である。この近くの高校に通っていたため、青龍の文字をいただいたのだという。山門からずっと階段が山の上のほうまで続いていたが、真っ暗で先は見えず残り200km以上ノルマを残している我々には本堂にまで行く猶予は与えられていなかった。山門で写真を撮り、ドライバーを交代して次の寺へ急いだ。
青龍寺から須崎までは、山の中をうねうねを進むドライブウェーのような道だった。勢いよく飛ばすスポーツカーにあおられたり急に豪雨があったりしたが、道自体は非常に走りやすく運転して楽しかった。しかしガソリンがそろそろ底を尽きかけており、時間も遅くなってきたので、空いているガソリンスタンドを探すのに必死だった。須崎の先で燃料を補給し岩本寺のある窪川へ我々は急いだ。
21時28分 第37番札所岩本寺。
青龍寺を出てから1時間半。ようやく岩本寺に到着した。夜で交通量もそれほど多くなかったので道は比較的快適だったが、それでも1時間半は非常に疲れた。このお寺、以前四万十川探検を友人としたときに訪れたことのある寺なのだが、今回は夜に訪れたので以前と雰囲気はまったく違っていた。我々は撮影のとき、毎回いろんなポーズを門の前で撮ることを決め事にしており、この岩本寺ではジャンプを繰り返してそれを撮影しようとしたのだが、これがお寺の人に見つかり、非常に気持ち悪がられた。自分の寺の前で、ジャンプを繰り返す若者、確かに気持ち悪かろう。お前たちは何のまじないを人の寺の前でしているのかと問われ、きちんと説明したのだがまったく信じてもらえず、嫌悪感をむき出しにされた。悪いことをした訳ではないが、気持ち悪い情景だったのは確かだろう。非常に申し訳ないことをした。
23時17分 第38番札所金剛峰寺。
足摺岬にある金剛峰寺。岩本寺からさらに2時間弱かかった。行きかう車もなく、非常に暗い道をただただ進むのみだった。金剛峰寺の駐車場には自転車で訪れた若者お遍路さんが2人ほどいたが、それ以外の人影も見えず、足摺岬の美しい景色も望むことは出来なかった。足摺岬のあたりの木の生え方が怖かった。道を覆うような感じで圧迫感を感じた。昼見るとまた違った光景だったのだろうか・・・・。本日これであと2寺。
1時07分 第39番札所延光寺。
金剛峰寺を過ぎて私は眠りに入った。気づけば延光寺に到着していた。にしやんいわくほとんど交通量がなく、道を走っているのは我々パッソ氏だけだったという。もう眠くて訳がわからなかったがとりあえず記念撮影・・・。暗くて静かな寺だったことしか覚えていない・・・。
そして本日ラストは、第40番札所観自在寺。ここも眠すぎたせいか記憶が残っていない。とりあえず寺なのに万国旗がはためいていたのが謎だった。どういうことなのだろう。ここで本日最後の寺を巡礼し終わり、そのまま海岸線沿いに北上し、宇和島に向かった。そういえばこのあたり、コンビニを1つも見ることがなかった。暗闇しかない旅もまもなく終わりを告げる・・・。
本日の宿泊場所は、宇和島市街地のバイパスの高架橋の下ということになった。本当に疲れてなぜこんなことをしているのか意味がわからなかった。しかしまだまだ旅は続く。この旅はまだ折り返し地点にすら到達していないのである。

<< 1日目へ | 3日目へ >> |