ケニアハネムーン旅行記【マサイ村訪問】
マサイ村訪問
マラセレナロッジ滞在3日目にドライバーWさんにマサイ村に連れていってもらうことになりました。マラセレナロッジから車で30分ほど、マサイマラ自然保護区のすぐ脇にあるマサイ族の村です。
マサイ村へ向かうにはまず車でマラセレナロッジから北上し、マサイマラ自然保護区で最も東にあるオロオロロ・ゲート(Oloololo Gate)を通過します。このゲートより先は自然保護区外になりますが保護区外にある有名なロッジも数多くあり、日本人スタッフが駐在し日本人からも大人気のムパタ・サファリクラブ(Mupata Safari Club)も保護区外のこれから向かうマサイ村の近くにあるそうです。
ゲートを抜け自然保護区外に出ると、山に近づき急な坂道が多くなります。この道を進んでいくとやがてゆるやかな山の斜面にぽつぽつとマサイ族の家が建っている光景が見えてきました。道ではマサイ族の子供が大勢の牛を追って歩いています。私たちが牛の大群をゆっくりと追い抜いてマサイ村へと入ると、20代くらいの若者が現れ「村を案内するよ」と言って村の中に招き入れてくれました。
本来マサイ族は写真を撮ることも許さない誇り高き部族だと言われていますが、この集落は自然保護区のすぐ近くにあるため頻繁に観光客が訪れるのでしょう、「Picture OK! Picture OK!」とさかんに写真を撮るように促されます。また、普段はマー語と呼ばれるマサイ族のみで通じる言語を使っているそうですが、この若者は英語もペラペラ。易しい英語でマサイ族の生活ぶりや村の案内をしてくれます。
村のいろんなところに連れて行ってもらいましたが、その中で彼はこんな事を語ってくれました。
- 野に生えている全ての草木の名前とその効能知っている。従って薬は必要ない。
- 大家族で一集落に住んでいる。複数人いる自分の妻の家を夫は順番に巡る。
- 財産は牛。牛を放牧して育て、それを売る事で生活している。
- 仲間のマサイ族に会いに行くために徒歩で国境を超えてタンザニアいくことがある。
- 儀式としてライオンを狩ることがある。
- 基本的に男性は働かない。(実際に昼間から牛を賭けてゲームをしていました。)
- 家を建てる作業から家事まで全ての仕事は女性が行う。
- 女性は基本的に坊主、男性はおしゃれのために髪を伸ばすことがある。
- 夜は集落の真ん中にある広場に牛を入れてライオンなどの外敵から守る。
- 電気が通ってないので、木を擦り合わせて火をおこす。
日本と生活習慣が大きく異なり驚きますが、環境がそもそも大きく違うので比較しても意味が無い事なのかもしれません。ただ、牛追いの仕事や家事を子供や女性にお任せして、男は毎日集落でのんびり遊んでいるという生活スタイルはなかなか衝撃的でした。
途中でマサイダンスを一緒に踊らさせてもらいましたが、彼らの跳躍力はやはり桁外れでした。1m近い高さの垂直飛びを難なく披露してくれます。また、マサイの家の中も案内してもらうことができました。部屋は牛の糞や泥などから作られているそうで窓がほどんど無いために中は何も見えないほど暗いのですが、その分外の熱を遮断しているのかとても涼しく感じました。マサイの家は、夫婦部屋や子供部屋、ヤギなどの小動物を入れる部屋などで構成されていました。
さて一通りマサイ村を案内してもらうと、所狭しと土産物や民芸品を並べている広場のようなところに連れて行かれ、お決まりの押し売りに遭います。全く何も買う気はなく最初は突っぱねてたのですが、次第に村中の人が集結し圧迫的な感じで「何も買わない訳はないよね?」と言った雰囲気で取り囲まれ、最後は根負けして小さな置物何個かをかなり割高なの価格で買う羽目になってしまいました。突っぱねきれなかった自分の弱さとマサイのやり方の汚さに無性に腹が立ちましたが、後から何を言っても仕方ないですね。マサイ村を訪問しようと考えている方は十分ご注意を。
マラトライアングルの動物たち
マラセレナロッジには計3泊しましたが、旅行前半に長距離移動が続いたこともあり少々疲れが溜まってきていたので、朝夕の1日2回で計6回予定されていたゲームドライブのうち2回はキャンセルして部屋で休み、残りの4回でマラトライアングルエリアを巡ってもらうことにしました。また、念願のヌーの河渡りを是非とも見たいと強くドライバーのWさんにお願いした結果、ゲームドライブではヌーの河渡りのチャンスを狙いながら、その合間にいろいろな動物を見せてもらうといった感じで、各所を案内してもらうことになりました。
マラトライアングルは、前半で2泊したキーコロック周辺と比べて見れる動物などは大きくは変わらないのですが、通れる道路が厳格に決められていて大きな限られた道しか通行できなかったり、すぐ近くに大きなマラ川が流れているなど、キーコロックロッジ周辺と雰囲気は多少異なります。また、象やハイエナなどはマラトライアングルの方が出会う確率が多いようにも感じました。
マラセレナロッジに滞在している間に見る事の出来た動物の中で特筆すべきは、やはりサイに出会えたことでしょうか。サイは角を狙った密猟の影響でどんどん数を減らしており、広いマサイマラ自然保護区の中でも数えるほどしか生息していないとのこと。この貴重なサイに遭遇できたことはとても幸運でした。サイが密猟者の魔の手から逃れて生息数が回復することを祈るばかりです。
また、真っ昼間にカバが草原を疾走する光景を見る事が出来たのも貴重な体験でした。カバは皮膚が弱いので普通は昼間に陸上にあがってくることは無いそうなのですが、そのカバがすごい早さで草原を大暴走していました。動物園にいるカバはいつもほとんど動かずに眠っているので、カバが俊敏に動く姿は想像しにくいですが、時には人にも襲いかかるほど凶暴だというカバの真の姿を見る事ができたのはラッキーでした。
ゲームドライブは、毎日朝夕の2回それぞれ2時間ずつドライバーさんにいろいろな所に連れて行ってもらうスタイルですが、毎回違った動物に出会えたり見たこともない光景に遭遇したりできるので何回繰り出しても飽きることはありませんでした。各サファリカーには無線が付いていて、動物の目撃情報の連絡が流れるとそれを聞いて現場に急行してもらえるので、必ず一度は何か大物と遭遇することができます。また、ドライバーのWさんがこれまでの経験や知識をフル活用して走りながらいろんな動物を探してくれるので毎回わくわくの連続でした。「この動物が見たい」などとほとんどこちらからは注文することなく、コースはWさんに任せきりでしたが、毎回毎回が楽しめるドライブとなりました。
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